木曜日は夜ふかし本
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「緋あざみ舞う」志川節子著
「緋あざみ舞う」志川節子著 向島の船宿「かりがね」を営むお路とお律は、評判の美人姉妹。表の商売が繁盛する一方で、彼女たちには江戸を騒がす「緋薊」という名の盗賊の裏の顔もあった。 盗みに…
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「鳥と港」佐原ひかり著
「鳥と港」佐原ひかり著 大学院卒の春指みなとは25歳。入社したものの、日報のまとめや意識改革に関わる上面の言葉をまとめ続ける業務に意味を見いだせず、9カ月で退職。1カ月後、みなとは立ち寄った公…
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「熊神」川村湊著
「熊神」川村湊著 熊と人との関わりを示唆する物語は世界各地に残っている。熊に襲われた貴婦人が熊の子を産むリトアニアの伝承や、熊女が人と交わって後に王となる子を産む朝鮮の話などがその例だ。日本で…
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「武器としての土着思考」青木真兵著
「武器としての土着思考」青木真兵著 人口1600人の奈良県東吉野村に移住し、私設図書館ルチャ・リブロを運営している著者。そのきっかけは都市生活において覚えた「危機感」だったという。資本の原理が…
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「笑う森」荻原浩著
「笑う森」荻原浩著 ある日、小樹海と呼ばれる「神森」のトレッキングコースに母親と来ていた5歳の男児・真人が行方不明になった。発達障害のある真人はひとつのことに集中しがちで、そのとき夢中になって…
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「テヘランのすてきな女」金井真紀著
「テヘランのすてきな女」金井真紀著 イランでは、女性はスカーフで髪を隠し、体のラインが分からないようチャドルを着る。街では風紀警察が目を光らせ、異性との握手が見つかれば99回のむち打ち。女性は…
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「ひとつの祖国」貫井徳郎著
「ひとつの祖国」貫井徳郎著 物語の舞台は、第2次世界大戦後にソ連と米国に分割統治された過去を持つ日本。経済力をつけた西日本と、経済的停滞に陥った東日本は、ドイツでベルリンの壁が崩壊したのを契機…
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「谷から来た女」桜木紫乃著
「谷から来た女」桜木紫乃著 主人公はアイヌの出自を持つ赤城ミワ。ミワに関わった人たちの語りを通し、彼女の生い立ちからデザイナーとして活躍する現在までを描いていく連作短編だ。 大学教授の…
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「DV8 台北プライベートアイ2」紀蔚然著、舩山むつみ訳
「DV8 台北プライベートアイ2」紀蔚然著、舩山むつみ訳 元劇作家にして大学教授という異色の経歴を持つ私立探偵・呉誠が活躍する「台北プライベートアイ」シリーズ第2弾。本作では、台北から郊外の淡…
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「われは熊楠」岩井圭也著
「われは熊楠」岩井圭也著 癇癪持ち、暴れん坊──。これが両替兼金物屋を営む南方家の次男、熊楠の幼い頃から続く評判だった。 慶応3年、和歌山に生まれた熊楠は4歳のとき、突然、己の内から声…
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「ルポ年金官僚」和田泰明著
「ルポ年金官僚」和田泰明著 1942年に労働者年金保険法として始まった日本の公的年金は、厚生年金保険法と改称された後、59年には自営業者を対象とする国民年金法も成立して、国民皆年金制度がスター…
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「グリフィスの傷」千早茜著
「グリフィスの傷」千早茜著 傷を題材にした10編の短編集。冒頭の「竜舌蘭」はさまざまな苦情に対応するデパートの受付係の“私”が主人公。 私は高校時代、同級生から無視をされるといういじめ…
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「家を失う人々」マシュー・デスモンド著 栗木さつき訳
「家を失う人々」マシュー・デスモンド著 栗木さつき訳 米国では、貧困の末に家を追い出され更に危険な生活に落ちていく人々が増えている。著者は、貧困問題を研究するなか、家賃が払えず立ち退きさせられ…
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「板上に咲く」原田マハ著
「板上に咲く」原田マハ著 地を這う姿勢で版木に覆いかぶさり、板に顔を接近させ、なめるように指で彫り目を確かめながら版木をザクザクと削っていく──。 本書は元々の弱視から、やがて左目の視…
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「マネーモンスター」黒木亮著
「マネーモンスター」黒木亮著 「パンゲア&カンパニー」は、ウォール街にあるカラ売り専業ファンド。東京事務所の北川靖は、創業パートナーと共に日夜ターゲットを探している。 そんな彼らの目にと…
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「そして誰かがいなくなる」下村敦史著
「そして誰かがいなくなる」下村敦史著 ミステリー界の大御所にして覆面作家、御津島磨朱李が、森の奥深くに贅を尽くした洋館を建てた。さらに誰にも見破られない隠し部屋まで設けている。 そんな…
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「ヒポクラテスの悲嘆」中山七里著
「ヒポクラテスの悲嘆」中山七里著 埼玉県のとある住宅で、40歳の女性の死体が発見された。駆け付けた県警刑事部捜査1課の古手川和也は、死後3週間経過してミイラ化している死体に対面。 同居…
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「ジジイの文房具」沢野ひとし著
「ジジイの文房具」沢野ひとし著 人生の傍らにはいつも文房具があり、それらは宿題や原稿に苦戦する著者を応援し、ときには旅のお供として寄り添ってきた。そんな長年にわたる数々の愛用文房具についてつづ…
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「お尻の文化誌」ヘザー・ラドケ著 甲斐理恵子訳
「お尻の文化誌」ヘザー・ラドケ著 甲斐理恵子訳 胴体下部のお尻と呼ばれる部位は、長年人間にとって体の一部を超えた特別な意味を持っていた。自分のお尻は自分で直接見ることはできず、他者から見られる…
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「化学の授業をはじめます。」ボニー・ガルマス著、鈴木美朋訳
「化学の授業をはじめます。」ボニー・ガルマス著、鈴木美朋訳 舞台は1960年代のカリフォルニア。大手の化学研究所に勤めるエリザべス・ゾットは才能ある化学者だが、女性であるがゆえに仕事は同僚研究…