堀江謙一 元気は「頑張らない力」から
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映画「太平洋ひとりぼっち」主演・石原裕次郎との出会い
昔は航海中、口笛を吹いていましたが、よく考えると、最近はしなくなりましたね。皆さんも日常生活で口笛を吹く機会が少なくなったのではないでしょうか。ボク自身、道を歩いていても自然と口笛を吹いていたのに、…
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太平洋の大海原で飲むビールは格別! 危険が伴う作業では自分にご褒美を与える
22歳で会社に入って43年間勤め、65歳で定年するとしたら、まだ100歳まで35年あるわけです。時間はあり余るほどあります。 ボクの周りにも、定年退職してからヨットでサンフランシスコに行った…
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航海に不可欠なのは「お湯」…お湯さえ沸かせれば食事は何とかなる
航海中の一番の楽しみといえば食事です。少々の嵐がやってこようと、ご飯だけは炊いたり、温めたりします。 昔は鯖やオイルサーディン、コンビーフなど缶詰ばかりでしたから、航海中、だんだんと缶切りの…
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デッキシューズは寝ている時も履きっ放し 高校のヨット部時代はいつも裸足だったけど
今はさすがにデッキシューズを履いていますが、60年前、23歳で太平洋を単独無寄港で横断した際は、デッキシューズの存在すら知りませんでした。日本からサンフランシスコまで、ずっとゴム草履を履いていました…
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時代の進化はすさまじい…テレビの登場はインターネットやスマホ以上に衝撃的だった
昨今の時代の進化はすさまじいと思います。インターネットもスマホもWi-Fiもそうですが、これまでに一番驚いたのは、やっぱりテレビです。 1950(昭和25)年、兵庫県西宮市の「阪急西宮スタジ…
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ヨットで世界一周 心の底からやりたいと思うことに理由はない
1945年8月15日のことは今でも鮮明に覚えています。 当時は夏の暑い時期だったのに、夏休みではありませんでした。空襲やら何やらで勉強をする時間が足りなかったのか、その日も学校に行っていまし…
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自分の人生に大きな影響を与えた「次郎物語」の「無計画の計画」
敗戦の年となる1945年、ボクは小学校1年生でした。 4~8月の1学期は、戦前の教育を受けています。それが敗戦によって、これまでとは正反対の「戦後の教育」になりました。 敗戦後の2、…
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高校ヨット部で人生激変 ヨット以外の目標を立てたことは一度もない
高校入学後、ヨット部に入ったといっても、ボク自身、ヨットのことはまったく分かっていなかった。 それでも先輩から話を聞き、ヨットの専門誌を読み漁るうちに、ヨットってこんなことができるんだと、そ…
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ヨットは観客のいないスポーツ 面白さを実感できるのは本人だけ
今年6月、単独無寄港太平洋横断を終え、日本に帰ってきてからは、旅行にも行っていませんし、外泊もしていません。どこかに出掛けて新型コロナに感染して奥さんにうつしたら、申し訳ないですしね。 行く…
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ゴールを迎えると「もっといい航海をしたい」という気持ちがマグマのように湧いてくる
地上と違って、海上にはホコリがありませんから非常に快適です。 聞こえるのは風と波の音だけ。朝、東の海に太陽が昇り、昼に真上に来て、夕方、西の海に沈んでいきます。晴れた日は毎日、その繰り返しで…
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一生懸命考えたところで時間の無駄 荒波も風もいったん受け入れてから対処する
6月4日、69日ぶりに海上から陸に上がりました。もっと歩きにくいかなと思いましたが、そんなことはありませんでした。 いつも長時間ヨットに乗って陸に上がると、地面が動いている感じが少しします。…
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日の出とともに迎える朝食の時間 航海中は「朝カレー」が定番の理由
これまでの人生を振り返っても、心が折れそうになったことや、大きな挫折を経験したことはありません。 航海中、大シケに遭っても放っておいたらいいんです。嵐はいつか過ぎ去ります。帆を下ろして、ロー…
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太平洋横断の原点は「何が何でもヨットマンになりたい」という強い気持ち
「世界最高齢での単独無寄港太平洋横断」と騒がれましたが、何も特別難しいことをしたわけではありません。 これまでの航海も何とかなりました。何度となくアクシデントに遭い、それを乗り越えることで体力…
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他人の目は関係ない! 目標に向かって困難を乗り越えることが楽しい
今回の太平洋横断で苦労したのは、出航前の準備が思うように進まなかったことです。 通常なら2週間でサンフランシスコまでヨットを運べるところ、新型コロナの影響で1カ月以上かかりました。3月にヨッ…
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Apple Watchも衛星電話も…便利なものは積極的に取り入れる
パスポートを持たずに“密出国”した60年前の航海では「出発してから120日間は、どこにも話さないで」と家族や友人にお願いし、航海中も誰かに見つからないか、ヒヤヒヤの連続でした。通信手段もなく、日本語…
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最も健康なのは航海直後 血液がハイペースで体中を走り回っているような感覚
3月26日にサンフランシスコを出航した直後、いきなり嵐に見舞われました。 翌27日夕方から28日朝にかけて、強風が吹き、波は高くなり、海は大荒れ。大きな雷の音が鳴り響きました。風が強く、ヨッ…
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世界最高齢83歳で太平洋横断「ヨットは不合理だから合理的にやりたい」
23歳の「密出国」から60年。83歳で迎えた今年、再び世界最高齢で太平洋横断に挑戦し、6月4日、69日間の航海を無事に終え、兵庫県西宮市の「新西宮ヨットハーバー」に帰ってきました。 夢を夢で…