至福の始末料理
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【酸辣湯麺(サンラータンメン)】発酵し過ぎたキムチが大活躍
ありがたいことに、近所に料理好きの幼なじみが住んでおり、何かというとおいしい料理を届けてくれる。 今、彼女がハマっているのがキムチ作り。アミの塩漬けだとか唐辛子の量だとか、入れるものの微調整…
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【どて焼き(牛スジとコンニャクのみそ煮込み)】100グラム150円のごちそう
牛肉は高い。シチューやカレーに使うスネ肉だって、和牛であれば結構な値段だ。けれども、スジ肉なら手を出しやすい。 行きつけの肉屋なら和牛のスジが100グラム150円。店に置いてあれば買うし、置…
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【ウドの皮のきんぴら】さわやかな香りとシャキシャキの食感
「ウド」と聞いて全体像を思い浮かべることができないのは当方だけか。漢字で書くと「独活」で、恥ずかしながらさらに縁遠い。料理屋で「ぬた」を注文して、ウドと魚介とネギなどの酢味噌和えが登場して、ようやく馴…
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【ふきの葉の佃煮】ほどよい苦みがご飯のおかずにも、つまみにも
この時季の野菜、ふき、たらの芽、うど、菜の花などは香りがよくうまいが苦みがあるのが特徴。若かりし頃は口の中で先に訪れる苦みばかりに気をとられて、うまみを味わえなかった。まして薄口に調理されることが多…
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【おからでお好み焼き】小麦粉高騰に栄養満点なのにヘルシーな対処
おからの女──近所の豆腐屋さんでは、そう呼ばれているに違いない。看板商品のおぼろ豆腐ではなく、おからばかりを買っているのだから。軒先におからがたっぷりと入ったポリ袋が並んでいると、どうしても買わずに…
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【スズキのアラの味噌漬け】味噌ダレは甘くするに限る
デパ地下の精肉売り場や鮮魚売り場には、必ずと言っていいくらいお宝が眠っている。 精肉売り場ならおすすめは牛スジ。国産のブランド牛のスジまで一緒くたにしている割に廉価なのがいい。スジ肉なのに霜…
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【大根おろしとキンピラとスープ】丸ごと1本、使い尽くす
食卓を彩るおかずには主役と脇役がある。これは主菜と副菜という意味合いとは必ずしも合致しない。主菜は主に肉、魚、大豆などのタンパク質や脂質を指し、副菜は野菜や海藻などビタミンや繊維質を指す。そういう栄…
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【ヒラメのアラ汁】釣りガールに教わった下処理いらずの超簡単レシピ
東京・築地でダイニングバー「nude」を経営する元タレントの花音さんは、釣りガールとしても有名だ。海釣りが好きで、今も月に1度は船に乗る。 今年の釣り始めは、富津沖でカワハギを狙って見事竿頭…
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【キャベツの芯のポタージュ】不明を恥じて作るごちそう
春キャベツがおいしい季節になった。 生で良し、煮て良し、炒めて良しの定番野菜だが、硬い芯の部分は捨ててしまう人が多いのではないか。我が家でもそうだった。 ビタミンC、ビタミンU、ビタ…
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【かぼちゃ煮の炊き込みご飯】煮汁は最後の一滴まで食いつくす
弱火でコトコト煮るだけでおいしくなる煮物は“最強の常備菜”だが、実に悩ましいのが、煮汁である。鍋や保存容器に残った煮汁を見るたびにもったいないなあと思う。 食材のうま味が出ている煮汁を洗い場…
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【野菜クズの絶品だし「ベジブロス」】簡単でおいしく体にいい
台所のゴミで最も多いのが野菜のクズ。タマネギの皮、ジャガイモの皮、ホウレンソウの根っこ部分、ブロッコリーの硬い茎、キノコのいしづき、カボチャのわた……。今までこうした野菜クズはシンクの三角コーナーへ…
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【マグロのアラの漬け焼き】固い筋が溶けてトロットロに
本マグロやインドマグロの刺し身は、言わずと知れたごちそうだ。 ただし、食べるときにどうしても気になるのが筋の部分。脂の乗った腹身、つまりはトロの部分ほど、筋が強くて閉口する。 過日、…
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【エノキの根元ソテー】いつもは捨ててしまう軸がうまい一品に
エノキの何がいいといえば手頃な価格だ。スーパーの店頭で一袋98円程度。お買い得の日となれば2袋で同じ値段のときもある。手軽さゆえに手に取ってしまう人も多いはずだ。味噌汁は定番で、豆腐や油揚げと一緒に…
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【カニ殻だしのリゾット】アスタキサンチンを煮出して味わう
海なし県に住んでいるとカニはめったに食卓に上らないぜいたく品だが、コロナで出掛けられないということを理由に「ふるさと納税」で手に入れてみた。 ふるさと納税の返礼品としてカニを扱っている地域は…
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【イカの塩辛】名店オヤジの格言「余計なものは入れない」がよく分かる
尾崎富士雄という渋いボクサーがいた。マーク・ブリーランドに挑戦した試合を後楽園ホールで見て、郷里の青森県八戸を訪ねた。暮れの寒い頃だ。実家は漁師で、母親がぽつぽつと話すガラス窓の向こうでイカが白く揺…
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【出がらし茶葉の佃煮】捨てるなんてとんでもない!
近頃、緑茶はコンビニや自販機で買うことが多い。家庭ではお湯を注ぐだけのティーバッグやスティックタイプが人気のようだ。あるいは、おうち時間が増えた昨今、お茶の葉を急須やポットに入れて緑茶を飲む機会が増…
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【大鰐温泉もやしの丸ごとおひたし】給料日「直後」のお楽しみ
もやしは給料日前のピンチを乗り切る“セーフティーネット食材”とは限らない。 津軽の伝統野菜「大鰐温泉もやし」は別格で、堂々たる見た目と力強い風味は「キング・オブ・もやし」と呼ぶにふさわしく、…
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【サワラのアラの炊き込みご飯】400円足らずで数日間、旬のうまみを堪能
サワラは魚ヘンに春と書く。旬は春といわれるものの、最も脂が乗ってうまいのは冬、つまりはいまの時季だ。 切り身は1切れ500円くらいするし、どうせならアラを使って炊き込みご飯にしたいと思い、デ…
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【三関せりと親鳥の鍋】主役は根っこ! これがなきゃ始まらない
案の定、店内は混み合っていた。各都道府県のアンテナショップが軒を連ねる東京・有楽町の交通会館。その日、中でも賑わっていたのが、県内の名産品が揃う「秋田ふるさと館」である。 レジへとつながる行…
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【鯛のかぶとの骨酒】これが45円かと涙が出て申し訳なく思う
往年のマラソンランナー、宇佐美彰朗さんはかなりの料理人だった。 新潟県立巻高校から日大に一般入学して走り始めた人だが、実家が大きな魚屋で仕出しもしていた。親の仕事を見まねで覚え、その技が走り…