芸能界と格闘技界 その深淵
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「休憩明け」に盛り上がるPRIDE まさかのマイクアピールに大ブーイング
全盛期のPRIDEの興行において「一番の盛り上がりはどこか?」と聞かれたら、筆者は迷わず「休憩明け」と答える。 「PRIDEエグゼクティブプロデューサー」の肩書を持つアントニオ猪木の登場は、い…
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「PRIDE GRANPRIX開幕戦」は「チケットあるよ」というダフ屋は一人としていなかった
昭和から平成にかけて、プロ野球の巨人戦や人気アーティストのコンサート、プロレスのビッグマッチとなると、会場周辺には必ずダフ屋の姿があった。「チケットあるよ」もしくは「チケット余ってない?」がおなじみ…
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谷川貞治氏の奇策「百瀬さんを使って、猪木さんをPRIDEのリングに上げよう」
拳銃不法所持等で逮捕歴を持つ異色の作家、百瀬博教が格闘技界と本格的に関わりを持つようになったのは、K-1創始者の石井和義と知り合ったことに端を発する。紹介したのは芸能プロダクション・ケイダッシュ会長…
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“PRIDEの顔”高田延彦の言葉「少年の頃の気持ちにさせてくれるもんだよ」
K-1プロデューサーの谷川貞治がタイソンのK-1ラスベガス参戦に社運を懸ける一方、競合団体のPRIDEは、真夏のビッグイベント「PRIDEミドル級トーナメント&ヘビー級ワンマッチ」を着々と進めていた…
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ボブ・サップは芸能活動にかまけミルコに1R負け…人気を当て込んだTV番組収録も拒否
この時期、ボブ・サップのモチベーションは著しく低かった。正道会館の夏合宿に参加したのもマスコミ向けの絵づくりにほかならず、リアルファイトへの関心はさほどもなく、彼はプロレスをやりたかった。実際「ファ…
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“ボブ・サップ売り出し計画”はトントン拍子で進んだ 全米でもテレビCMの企画が浮上
7月20日、シアトルの自宅で静養していたボブ・サップが、突如愛知県の西浦海岸に現れた。正道会館の夏合宿に参加するためである。全国の正道会館の支部道場から集まった300人の門下生と一緒に汗を流した後は…
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アントニオ猪木評は「物静かな人。派手なイメージは意外とない。でも、やっぱりオーラってある」
川又誠矢が石井和義と初めて会ったのは、1997年。このとき31歳で芸能プロダクションを起業したばかりだった。ミュージシャンのプロデュースをしたかったし、俳優のマネジメントもしてみたかった。番組制作に…
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格闘技関係者の多くは「海外に逃げた」「すでに死んでいる」と異口同音に…
以前にも述べたように、筆者が初めて川又誠矢の現況を把握したのは、5年ほど前のことである。当時、筆者が放送作家として携わっていたテレビ番組に、クレイジーケンバンド(CKB)の横山剣がゲストに来た際、編…
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保釈後の石井和義は椿山荘に滞在も「間違いなく、館長と川又さんは会っています」と
ミルコ・クロコップの代理人である川又誠矢の携帯電話に石井和義から「今、保釈されました」と連絡があったのは、石井が保釈されてすぐの5月下旬のことだという。すぐさま、都内でホテルで会うことになった。川又…
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徳山昌守は「K-1に軽量級っていうのができたら参戦も面白い」と意欲を見せた
ヘビー級の祭典「K-1GRANDPRIX」、魔裟斗人気で浸透してきた「K-1WORLDMAX」、異種格闘技を主軸とした「K-1JAPAN」と、断続的に続くイベントスケジュールをこなしながら、同時にマ…
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「タイソンを連れて来て欲しい」と言ったら「OK、3万ドル用意しろ」と…
空前のボブ・サップ人気に明け暮れた2002年から1年も経たないうちに、創始者である石井和義の逮捕、ボブ・サップの人気急落、ミルコ・クロコップPRIDE転出、人気選手の相次ぐ欠場……と数々の災厄に見舞…
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ケイワン新社長・小野優氏の本職は税理士 公明正大をアピールするため急きょ社長に就任
DSE社長の榊原信行が「PRIDEミドル級トーナメント」に吉田秀彦の参戦を発表したのと同じ6月18日、株式会社ケイワン前社長で、前K-1プロデューサー石井和義被告の第3回公判が東京地裁で行われた。株…
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蝶野正洋現場監督は「新日本の看板を背負う以上は負けは許されない」
人気選手の相次ぐ離脱や欠場もあって、PRIDEの快進撃に押され気味となっていたK-1が、打開策として元統一世界ヘビー級王者のマイク・タイソンの招聘に乗り出したことはすでに述べた。しかし、世界的な大物…
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2015-2022「那須川天心vs武尊」の記録(下)2人の立場が入れ替わり「何だか恋愛みたいですよね」
2020年、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、K-1はさいたまスーパーアリーナでビッグマッチを行った。埼玉県の大野知事までが「中止勧告」と称して会場を訪れる事態となったが、大会は強行。批判にさらさ…
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2015-2022「那須川天心vs武尊」の記録(中)武尊を翻意させた那須川天心の快進撃
事あるごとに対戦を熱望する那須川天心に対し「K-1のリングなら」と条件付きで応諾する武尊。歩み寄りは見られず、あっという間に数年が経った。 風向きに少し変化があったのは、筆者の見るところ、那…
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2015-2022「那須川天心vs武尊」の記録(上)始まりは2015年6月8日のラブコール
「10.8」(中日対巨人・史上初ペナントレース同率首位最終決戦)、「10.9」(東京ドームに6万7000人を動員した新日本プロレス対UWFインターナショナルの対抗戦)など、日付で語られることの多いプロ…
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興行の魅力にとり憑かれ…「PRIDEの生みの親」榊原信行の原点と原動力
榊原信行は1963年、愛知県出身。大学卒業後の87年、フジテレビの系列局である東海テレビの関連子会社、東海テレビ事業に入社。イベント制作や旅行代理業務に携わる。 榊原と格闘技の出会いは、94…
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谷川貞治は榊原信行を「唯一の誤算はめちゃくちゃ才能があったこと」と評した
2003年8月10日、さいたまスーパーアリーナで行われる「PRIDE GRANDPRIX2003開幕戦」は、桜庭和志、吉田秀彦、田村潔司、ヴァンダレイ・シウバらが出場する「ミドル級トーナメント」に加…
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K-1の後塵を拝していたPRIDEが一気に突き抜けた2003年夏の快進撃
ミルコ・クロコップがヒース・ヒーリングを一蹴した「PRIDE.26」から11日後、都内で会見が開かれた。8月10日に、さいたまスーパーアリーナで開催される「PRIDE GRANDPRIX 2003開…
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「いつも同じ質問ばかりしやがって」群がる報道陣にミルコの不満が爆発
筆者が格闘技の記者会見に顔を出すたびに不思議に思うのは「どうして、月並みな質問ばかりなのか」ということである。 昨年暮れに東京ドームホテルで行われた「武尊対那須川天心」の正式発表の会見におい…