ノンフィクションが面白い
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「魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣」石井妙子著
1971年、世界的に知られるフォトジャーナリスト、ユージン・スミスは、2番目の妻アイリーンと一緒に水俣にやってきた。アメリカ人の父と日本人の母を持つアイリーンは、当時まだ20歳。ニューヨークで出会っ…
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「重要証人 ウイグルの強制収容所を逃れて」サイラグル・サウトバイ、アレクサンドラ・カヴェーリウス著 秋山勝訳
中国共産党政府が、少数民族の地、新疆ウイグル自治区で何をしてきたのか。何をしようとしているのか。歴史に逆行するおぞましい所業の数々が、一人の女性の命がけの証言で明るみに出た。 サイラグル・サ…
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「娘の遺体は凍っていた」文春オンライン特集班著
2021年3月下旬、ようやく雪が解け始めた北海道・旭川市内の公園で、中学2年生の女子生徒の遺体が発見された。2月13日の夕方、「今日死のうと思う」というラインメッセージを残して行方不明になっていた廣…
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「お天道様は見てる 尾畠春夫のことば」白石あづさ著
2018年8月、尾畠春夫さんは瀬戸内海の島で行方不明の2歳児を発見、その名が全国に知れ渡った。年金でつましく暮らしながらボランティア活動を続ける独自の生き方が注目され、取材が殺到した。 ライ…
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「死者の告白」奥野修司著
高村英さんは宮城県の女性。子供の頃から憑依体質で、日常的に霊と共存していた。霊との関わりを自分でコントロールすることもできた。ところが、東日本大震災から1年余が過ぎた2012年6月から翌年の3月まで…
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「犬は愛情を食べて生きている」山田あかね著
太田快作は獣医師。東京・杉並で動物病院を開き、一般診療をしながら動物愛護活動を続けている。批判を恐れず、権威にひるまず、身を粉にして働いている。動物愛にあふれるこの獣医師はどのようにして誕生し、何を…
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「喰うか喰われるか 私の山口組体験」溝口敦著
ノンフィクション作家・溝口敦は、ほぼ半世紀にわたって山口組を取材。「血と抗争 山口組三代目」「山口組四代目 荒らぶる獅子」「ドキュメント 五代目山口組」など多くの本を書いた。 ヤクザの大物た…
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「保身 積水ハウス、クーデターの深層」藤岡雅著
地面師とは、他人の土地を自分のものと偽って第三者に売り渡す詐欺師のこと。土地取引のプロであるはずの積水ハウスが、あろうことか地面師に55億円を騙し取られた事件は、積水ハウスの信用とブランドを大きく傷…
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「近親殺人 そばにいたから」石井光太著
東京都内のマンションの一室に、ゴミと糞尿にまみれた初老の女性の遺体があった。死因は餓死。30代の娘2人と同居していたにもかかわらず、母親はなぜこのような死に方をしなければならなかったのか。(「介護放…
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「岸惠子自伝」岸惠子著
岸惠子ほど、この世界を広く、深く体感した日本女性は稀有だろう。映画「君の名は」で一躍スター女優になったが、その道一筋に歩むには好奇心も冒険心もあり過ぎた。いくつもの起伏を乗り越えて、いま88歳。自分…
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「証言・終わらない日産ゴーン事件」市岡豊大著
2018年11月19日。日産自動車を再生に導いたカリスマ経営者、カルロス・ゴーンが一夜にして犯罪者におとしめられた。これはゴーンが主張するように日産の陰謀なのか。はたまた日本が誇る企業を守るための国…
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「完落ち 警視庁捜査一課『取調室』秘録」赤石晋一郎著
ロス疑惑、連続幼女誘拐殺人事件、地下鉄サリン事件……。さまざまな重大事件を解決に導き、「伝説の刑事」と呼ばれた元警視庁捜査一課刑事・大峯泰廣の回顧録。 大峯は昭和23(1948)年生まれ。い…
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「純情 梶原一騎正伝」小島一志著
「巨人の星」「あしたのジョー」「愛と誠」などの劇画原作者として大成功をおさめながら暗転、梶原一騎はスキャンダルにまみれた。暴力的、女狂い、酒乱、ビッグマウス……。著者は、世間に流布する伝説を一つ一つ検…
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「キツネ目 グリコ森永事件全真相」岩瀬達哉著
「かい人21面相」を名乗るグループが「どくいり きけん」のシールを貼った菓子をスーパーやコンビニにばらまき、社会を震撼させたグリコ森永事件。あれから37年が過ぎ、似顔絵が公開されているリーダー格の「キ…
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「袴田事件の謎 取調べ録音テープが語る真実」浜田寿美男著
「ひとつおまえの行為っちゅうのを反省してもらいたいだ。俺らそれだけ要望するだよ、本当だで、な」と、口調は素朴だが、最初から有罪前提で執拗に反省を求める取り調べ官に、袴田巌は苦笑交じりでこう返す。 …
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「衆議院事務局 国会の深奥部に隠された最強機関」平野貞夫著
衆議院事務局とは、単なる事務的な作業を行う部署ではない。国会を正常に運営するために、非常に重要な仕事を担っている。例えば、議長や委員長の発言の下書き、明治以降の議会紛糾事例と処理情報の管理、政党や議…
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「誰も知らなかったジャイアント馬場」市瀬英俊著
ジャイアント馬場こと馬場正平と妻・元子。公私ともにパートナーとして支え合った夫婦には、生前語られることのなかった秘話があった。2018年に元子が亡くなった後、2人が交わした1000通近いラブレターが…
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「やがて鐘は鳴る」フジコ・ヘミング著
フジコ・ヘミングは60歳を過ぎて世に出た。NHKのドキュメンタリー番組「フジコ~あるピアニストの軌跡~」でその名を知った人も多いだろう。 本名ゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコ。母は…
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「朝鮮戦争を戦った日本人」藤原和樹著
米国立公文書館で、ある機密資料が見つかった。それは、朝鮮戦争に加わった日本人に対する尋問記録だった。「武器は支給されたか」「その武器を使用したか」「人を殺したか」。尋問に答えているのは、朝鮮戦争開戦…
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「細野晴臣と彼らの時代」門間雄介著
音楽活動50周年を迎えた細野晴臣の起伏の激しい音楽人生を、仲間たちとの関わりの中で描いた力作評伝。松本隆、大瀧詠一、鈴木茂、坂本龍一、高橋幸宏、松任谷正隆ら、日本のポップミュージックを牽引することに…