ノンフィクションが面白い
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「双葉町 不屈の将 井戸川克隆」日野行介著
「双葉町 不屈の将 井戸川克隆」日野行介著 2011年3月11日。東日本大震災によって、福島第1原発事故が起きた。地元、福島県双葉町の町長だった井戸川克隆は、右往左往する県や国の役人に見切りを…
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「小山さんノート」小山さんノートワークショップ編
「小山さんノート」小山さんノートワークショップ編 都内の公園のテント村に、小山さんと呼ばれる女性ホームレスが暮らしていた。2013年に亡くなったとき、テントには80冊にも上る小さなノートが残さ…
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震災で亡くなった外国人たちの「生」の物語をたどる
「涙にも国籍はあるのでしょうか」三浦英之著 東日本大震災から13年。朝日新聞記者でルポライターの著者は、震災直後から津波被害の最前線を取材してきたが、2022年、震災で亡くなった外国人の数を政…
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「挿絵画家 風間完」風間研著
「挿絵画家 風間完」風間研著 ページを開くと、まず美人画の口絵が数葉、現れる。知的で、気品があって、内側に強さを秘めた表情がなんとも美しい。美人画で知られる挿絵画家・風間完。その生涯を、長男で…
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「外事警察秘録」北村滋著
「外事警察秘録」北村滋著 2020年1月、国家安全保障局長だった著者は、時の総理大臣・安倍晋三の代理人としてモスクワ近郊のプーチン大統領公邸を訪れた。会談が終わり、握手を交わして部屋を出る際、…
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「鬼の筆」春日太一著
「鬼の筆」春日太一著 橋本忍は日本映画史に輝く作品群を送り出した大脚本家。「羅生門」「生きる」「七人の侍」「私は貝になりたい」「砂の器」「八甲田山」など、名作、ヒット作は枚挙にいとまがない。 …
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「空と風と時と小田和正の世界」追分日出子著
「空と風と時と小田和正の世界」追分日出子著 アーティスト小田和正は、75歳を過ぎても全国ツアーを行い、あの類いまれな美声で歌い続けている。そのストイックなまでの音楽人生を記録した圧巻の人物評伝…
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「吉村昭と津村節子 波瀾万丈おしどり夫婦」谷口桂子著
「吉村昭と津村節子 波瀾万丈おしどり夫婦」谷口桂子著 「ここで死にましょうか」 真冬の北海道、根室の夜の海岸で、妻・津村節子は、夫・吉村昭に言った。2人は、セーターの行商の旅に出て、最果…
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「移民の子どもの隣に座る」玉置太郎著
「移民の子どもの隣に座る」玉置太郎著 大阪の繁華街ミナミの町外れにある島之内は、移民が多い町。フィリピン、中国、韓国、ブラジルなどにルーツを持つ人たちが住人の3割を占め、その多くがミナミの飲食…
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「シェルフ・ライフ」ナディア・ワーセフ著 後藤絵美訳
「シェルフ・ライフ」ナディア・ワーセフ著 後藤絵美訳 カイロの西、ナイル川の中州の街ザマーレクに、「ディーワーン」という書店がある。2003年に3人の女性が創業したこの店は、カイロでは見たこと…
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「美術泥棒」マイケル・フィンケル著 古屋美登里訳
「美術泥棒」マイケル・フィンケル著 古屋美登里訳 お洒落な服装の若いカップルが来館者に紛れ込み、警備員がいなくなるわずかな隙を狙って素早くお目当ての美術品を盗み出す。職人技の道具は1本のスイス…
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「裸の大地 第二部犬橇事始」角幡唯介著
「裸の大地 第二部犬橇事始」角幡唯介著 自分で橇を引いて北極圏を旅してきた探検家・角幡唯介が、4年前に犬橇を始めた。以後毎年、グリーンランド北部で長期の狩猟漂泊行を続けている。なぜ犬橇なのかと…
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「海賊たちは黄金を目指す」キース・トムスン著 杉田七重訳
「海賊たちは黄金を目指す」キース・トムスン著 杉田七重訳 冒険物語や映画でおなじみのカリブの海賊のリアルな生活を描いたノンフィクション。海賊の中には、まめに航海日誌をつけていた者たちがいた。本…
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「死は予知できるか」サム・ナイト著 仁木めぐみ訳
「死は予知できるか」サム・ナイト著 仁木めぐみ訳 ロンドン近郊に住むピアノ教師、ミス・ミドルトンは、子どものころから予知能力があった。1966年に起きた採鉱廃棄物の山の大崩落事故も予知していた…
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「イラク水滸伝」高野秀行著
「イラク水滸伝」高野秀行著 「水滸伝」は中国四大奇書のひとつ。宋の時代、宋江を首領とする豪傑(好漢と呼ばれる)たちが、湿地帯の拠点「梁山泊」にたてこもって政府にたてつく物語だ。 反権力的…
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「氷室冴子とその時代」嵯峨景子著
「氷室冴子とその時代」嵯峨景子著 1980年代、氷室冴子は人気少女小説家として世に知られるようになった。「クララ白書」「なんて素敵にジャパネスク」「雑居時代」など、その時代を生きる等身大の女の…
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「私説 ドナルド・キーン」角地幸男著
「私説 ドナルド・キーン」角地幸男著 日本語は難しい。漢文、古文を含めた日本語を理解できる外国人など、いるわけがない。そういう日本人の思い込みを見事に覆した天才がいる。ニューヨーク生まれの日本…
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「原爆写真を追う」林重男、井上祐子著
「原爆写真を追う」林重男、井上祐子著 1945年10月初め。広島の爆心地近く。かろうじて残っている商工会議所屋上の望楼に上ったカメラマン林重男は、一面の瓦礫の荒野を前に無言で立ち尽くした。これ…
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「ジュリーがいた沢田研二、56年の光芒」島﨑今日子著
「ジュリーがいた沢田研二、56年の光芒」島﨑今日子著 あのジュリーが、6月25日で75歳になった。この日、さいたまスーパーアリーナでバースデーライブが行われた。2018年、会場が埋まらずに当日…
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「掬われる声、語られる芸」鈴木聖子著
「掬われる声、語られる芸」鈴木聖子著 新劇出身の個性派俳優・小沢昭一は、不惑を迎えた1969年に、著書「私は河原乞食・考」を刊行した。特出しストリッパー、香具師、大道芸人を取り上げ、ホモセクシ…