大人の基礎ノート 5分でわかる世界史
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人間とは一体何者か? 原人・旧人・新人が併存…ヒトの本質は混血にあり
■ペーボ博士 写真①は、2022年のノーベル生理学・医学賞を受賞した、ドイツのマックス=プランク進化人類学研究所のスバンテ=ペーボ博士です。授賞理由は「絶滅した人類のゲノムと人類進化に関する発…
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3度政治の表舞台へ上がった西太后のストロング・ウーマンぶり 首都から脱出後も堂々凱旋(下)
写真①は中央に西太后が、左右に欧米の公使夫人たちが並んだものです。西太后は欧米諸国とどのような関係を結ぼうとしていたのでしょうか? ■清仏戦争 ベトナムの保護権をめぐり、1884~85…
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皇帝からの親孝行を夢見た西太后「中国3大悪女の一人」説は本当か?(上)
クイズです。「慈禧端佑康頤昭豫荘誠寿恭欽献崇熙皇太后」とは誰のことでしょうか? 漢字ばかりで目がくらくらしますね。これは私たちが一般に西太后(1835~1908年)と呼ぶ人物の正式な名前です(写真①…
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ロシア支配に翻弄されたシェフチェンコ 国民的詩人が訴えたウクライナ民族の自由
ロシアによるウクライナ侵略から1年。いまだ終わりが見えてきません。今回はロシアに翻弄されたウクライナの国民的詩人タラス=シェフチェンコ(1814~61年)を取り上げます。まずは彼が詠んだ「遺言」(資…
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ピョートル大帝vs皇太子アレクセイ「帝政ロシア」を揺るがした壮絶な父子の確執
絵①をご覧ください。ロシアのピョートル大帝(1672~1725年)による改革の一コマを描いたものです。一体、何をしているのでしょうか? ■大使節団 北ヨーロッパの大国スウェーデンとの北…
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身長2m超えの偉丈夫 “暴れん坊皇帝”ピョートル1世が「帝政ロシア」を建てるまで
意外に思われるかもしれませんが、300年前の北ヨーロッパにおける大国はロシアではなく、スウェーデンでした。 特に三十年戦争(1618~48年)にも参戦したグスタフ=アドルフ王は強力な軍隊を率…
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真珠湾攻撃はこうして「奇襲」になった…米国の暗号解読はなぜ遅れたのか
1941年12月7日、日曜日の朝7時49分(ハワイ時間)に、日本の海軍機動部隊から発した航空機が、ハワイの真珠湾を攻撃しました(写真①)。この時、宣戦布告がないまま攻撃した「卑怯な日本」というイメー…
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地動説をめぐる闘い ガリレオは「それでも地球は動く」と言っていない?
資料①は「チ。─地球の運動について─」(小学館)という漫画の表紙です。 作者の魚豊氏は、コミックス全8巻に及ぶ作品の中で、世代を超えて継承される意志をテーマに、オムニバス風の大河ドラマを展開…
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世界最古の遊牧帝国をつくったスキタイ人 黄金の胸飾りから見える東西の文化融合
高校の世界史教員をしていると「世界初の〇〇」や「世界で唯一の△△」などの枕ことばが付くものをチェックするというクセがついてしまいます。今回は「世界最古の遊牧帝国」のお話です。一体どのような人々だった…
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遊牧民がつくった国際都市の“礎” 「隋の大興城」は現在の中国につながる
皆さんは唐(618~907年)の都をご存じでしょうか。国際都市として栄えた長安です。そこで資料①をご覧ください。興味深いことに、長安は隋(581~618年)の都である大興城を名前だけ改めたものだった…
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ペレ3度目のサッカーW杯優勝は軍事独裁政権下 彼こそ「ブラジル国民統合」のキング
1984年8月25日、東京の国立競技場において、元サッカー日本代表の釜本邦茂さんの引退試合が行われました。私は運よくチケットを入手し、バックスタンドから釜本選手の姿を目に焼き付けました。しかし、この…
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「地球4分の3周」が1日で届く 日本と世界をつなげた海底電信ケーブルの歴史
今や私たちの生活に欠かせないアイテムであるスマートフォン。この小さなコンピューターは、家の中でも外でも私たちが世界とつながる窓となっています。ところで、スマホはどういう仕組みで世界とつながっているの…
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エジソンは「特許王」だった! ジョゼフ=スワンが発明した白熱電球の原理を独占
写真①は「発明王」で知られるエジソン(1847~1931年)です。蓄音機や白熱電球、キネトスコープ(映写機)の発明が有名ですね。 でも、白熱電球は本当にエジソンの発明と言っていいのでしょうか…
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ガーナの歴史はカカオのようにほろ苦い…叶わなかった「アフリカ合衆国」の夢
今回はガーナ初代大統領ンクルマ(1909~72)を紹介しましょう。写真①はガーナで使われている2セディ紙幣です。ンクルマの肖像が描かれていますね。 従来の高校教科書では「エンクルマ」と表記さ…
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西アフリカ国境線の不思議…ギニア湾諸国が“細長い”秘密は「蚊」
地図①をご覧ください。アフリカ大陸西部のギニア湾に面した国々が並んでいます。なんだか不思議な形をしていないでしょうか? 海岸線から内陸部にかけて、国の形が細長くなっていることに気付いたかと思います。…
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英宰相チャーチルを知る(下)最期まで保ち続けた“帝国主義者”のメンツ
風刺画(絵①)をご覧ください。このド派手な絵は一体、何を表しているのでしょうか? ■「持たざる国」 世界恐慌後の1930年代、「持たざる国」である日本・ドイツ・イタリアは、各地に相次い…
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英宰相チャーチルを知る(上)名言の裏側にあった“めげない精神”
風刺画(絵①)をご覧ください。この人物はイギリスの首相を務めたチャーチル(1874~1965年)です。一体、何を風刺しているのでしょうか? 今回は、チャーチルにまつわる「キーワード」に焦点を当てなが…
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かつて「世界の半分」はイランにあった! あらゆる宗教が共存した都イスファハーンの特異性
資料①は、フランスの宝石商人だったシャルダンが17世紀後半、イランのサファヴィー朝を訪れた際に記録した「ペルシア旅行記」の一部で、イスファハーンという都の様子を紹介しています。シャルダンは一体、どう…
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イランにつながるサファヴィー朝の隆盛 一度の敗北で心を折られた“完璧王”の無敗神話
資料①をご覧ください。これは500年前のイランでサファヴィー朝(1501~1736年)を建国したイスマーイール1世(1487~1524年)が、トルコ語で語った詩の一部です。よく読むと、ずいぶん大胆な…
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ルターに先立つこと100年…「早すぎた宗教改革」フスを待ち受けた悲惨な末路
絵①をご覧ください。真ん中に描かれているのは、チェコ出身の神学者ヤン=フス(1369~1415年)という人物です。どうやら木の杭に縛り付けられて火刑にされているようですが、いったい彼は何をしたのでし…