プロ野球スカウトの“逆襲”
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プロ球団のコーチが新人自主トレを見ながらひと足早い「品評会」を始めてヒヤヒヤ
「もう少し、バットスイングは鋭くてもいいんじゃないか?」 「ま、守りが良くて取ったって聞いたけど、それにしちゃ、スローイングもグラブさばきもいまひとつだな」 先日のこと。スタッフミーティ…
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聞こえるような大声で…子供をホメちぎる親を見ると不安になる
「ウチの子は、何年もしないうちに必ず出てきますよ。なにしろ子供の頃からの練習量がハンパじゃありませんし、モノが違いますからね」 新人の入団発表が行われた11月下旬、彼らの親御さんたちとテーブル…
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ドラフト指名後に選手のマイナスの性格が分かって、引っ繰り返りそうになることもある
2、3年前のこと。オレが担当する関東の大学生左腕をドラフトで上位指名、部長と大学へ挨拶に行ったときの話だ。 球団側はオレとスカウト部長の2人。野球部監督も交えてざっくばらんな雰囲気の中、スカ…
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ドラフト「指名漏れ」アレコレ…プロは“2位縛り”選手を誰一人として指名しなかった
「ドラフト候補」といわれながら、指名されなかった選手が毎年のように出る。いわゆる「指名漏れ」だ。 今年は、メディアに「上位候補」といわれていた立教大の山田健太内野手がいい例さ。大阪桐蔭時代は根…
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U18日本代表で打球の飛距離がズバぬけていたのは高松商・浅野翔吾だった
甲子園に出た選手たちが中心だったU18日本代表が、米国のフロリダに出発する前の話だ。 野手の木製バットへの対応については、大学日本代表との壮行試合でチェックできた。「あとはパワーだな。木製バ…
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「不作」といわれる高校生野手の評価が上がった根拠
■プロに入ってからも苦労する それにしても、高校日本代表の4番打者にはビックリしたね。 8月31日にゾゾマリンで行われた大学日本代表との壮行試合。146キロの速球を右中間スタンドに放り…
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コロナ禍と長雨でドラフト指名候補選手の評価は慎重に
「おまえなぁ、アイツをリストから外したってのはどういうことだ!」 夏の甲子園直前のスカウト会議で、部長にいきなりカミナリを落とされたよ。 オレたちスカウトには大会前、ドラフト指名候補選…
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大学生投手の「ドラフト1位」評価は“上げ底”だ 代表から漏れた中にこそ逸材がいる
「今年は高校生より大学生が人気って言うけど、なんだかなぁ……」 6月18~20日、神奈川の平塚で行われた大学日本代表の選考合宿を一緒に見に行った部長がこうボヤいた。 「二刀流で注目される…
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春先から急成長する大学生を見逃すな
まったく、嫌がらせとしか思えないね。 高校生の春季大会は他の地区に人手を取られてるから関東を頼むって言われ、今度は神宮の大学選手権をカバーしてくれってさ。春の関東大会はロクな選手がいないって…
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コロナで練習不足…「不作」と言われる高校生の掘り出し物を探せ!
さすがのオレもキレたね。 高校生は来週末から関東大会が始まる。いつも通り、オレは関東大会を視察することになったんだけど、部長はこう言ったんだ。 「今年は近畿と東海も同じ時期にスタート。…
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プロで一流になると太鼓判を押せる3年生は、センバツには一人もいなかった
春のセンバツはマイッタよ。 これは……って選手がいない。まったくいないわけじゃないんだけれども、センバツを見た限りではプロでも一流になると太鼓判を押せる選手は残念ながら3年生にいなかった。 …
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花巻東・佐々木麟太郎に大物の予感 「ここぞの場面」で結果を出せることが大きい
春のセンバツでスターが誕生する気がする。 花巻東(岩手)の2年生スラッガー・佐々木麟太郎のことだ。 まだ下級生なのに、部長はもちろん、いつも苦虫を噛み潰したような表情のエライさんまで…
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担当したライバルが蹴落とされないかヒヤヒヤ…そして気になる自分の評価
キャンプ地に来て真っ先に見たのは、自分が担当した若手外野手さ。 数年前からレギュラーに。俊足だし、バッティングもいい。フリー打撃では右に左に鋭い打球を飛ばしてた。 スカウトは自分が推…
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プロ野球ルーキーの担当スカウトはやることてんこ盛り
「年の初めだってのにシケた面しやがって」 先日、新人の合同自主トレに顔を出したときの話さ。部長に会うなりこう言われたけど、「そりゃ、そうですよ」って、思わず言い返したよ。 ルーキーが始…
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都市対抗野球に足を運ぶ本当の狙い ドラフト候補の品定めだけじゃない
まったく、どこのどいつだよ。オレが第1試合を見ただけで、さっさとトンズラしたことを部長にご注進したのは。 先月末から東京ドームで行われた社会人の都市対抗野球。その日はプロ注目の選手が第1試合…
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球団にダメ出しされた選手がよそに上位指名されて留飲が下がった
数年前の話だ。担当地区の高校生右腕の素質にホレ込み、スカウト会議で推薦。是が非でも上位指名すべきと口角泡を飛ばしながら力説したものの、部長やエライさんの反応はいまひとつ。エライさんなんて「能力の数値…
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レギュラーに定着したと思ったら、担当の若手とポジションの重なる即戦力を上位指名されてキレた
「いくらなんでもアレはないでしょう! まったく、冗談じゃありませんよ!」 ドラフト会議が終わった瞬間、思わず部長にかみついた。「アレ」とはウチの上位指名のことだ。 今年のドラフトにはオ…
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10.11ドラフト会議直前の攻防 指名順位に固執する高校生は要注意
いつも薄汚いジャンパー羽織ってるのに、何だってジャケットなんて着てるのかって? きょうは東京六大学で神宮球場に行ってきたからさ。一部の学校の古参OBたちは、とにかく口うるさくてね。オレたちス…
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せっかく見つけた金の卵! 夏の甲子園に出た選手を“訳あり”で猛プッシュした
いや、もう、絶好調も絶好調さ。おまえのことだから、どうせ、ゴルフのことだろうって? とんでもない。オレじゃなくて、オレが担当した選手がようやくモノになりそうなんだ。オレの球団内での評価は間違いなくう…
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有力投手が地区予選で続々敗退 それでも甲子園に転がっている逸材を見逃すな!
今年は高校生投手が豊作。夏の甲子園で掛け値なしの評価をしようと思っていたら、その多くが地区予選で負けた。高知の森木大智、市和歌山の小園健太、天理の達孝太らがそうだ。 森木や小園はドラフト1位…