企業深層研究
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日本風力開発(下)「クリーンエネルギーの旗手」から転落で身売りしかないのか
洋上風力発電は再生可能エネルギーの主力電源のエースとして期待されていた。その主役の1社が日本風力開発だった。 社長だった塚脇正幸は1959年7月、京都府生まれ。京都大学を卒業し、三井物産に入…
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日本風力開発(上)受託収賄容疑で逮捕された秋本真利議員との蜜月関係
政府が進める洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、東京地検特捜部は9月7日、元外務政務官の秋本真利衆院議員(48、自民党を離党)を受託収賄容疑で逮捕した。事業への参入を目指す風力発電会社の日本風力開発(…
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イトーヨーカ堂(下)ヨークベニマルを全国屈指の優良会社に育てた大高善興会長の手腕
セブン&アイ・ホールディングスのスーパーマーケット事業は、総合スーパーのイトーヨーカ堂と食品スーパーのヨークベニマル(福島県郡山市)の2本柱である。ヨーカ堂の業績が低迷する中、ベニマルは好調だ。 …
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イトーヨーカ堂(上)食品スーパーのヨークと合併 コスト削減をテコに黒字転換へ
イトーヨーカ堂の親会社、セブン&アイ・ホールディングスの2023年3~5月期連結決算は、営業利益が前年同期比19.9%減の819億円だった。歴史的に高水準だったガソリン価格の下落を受け、ガソリンスタ…
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第一生命ホールディングス(下)二頭体制でガバナンスを強化 顧客第一主義の原点に返る
第一生命グループは4月1日に社長交代を行った。第一生命グループは、持ち株会社の第一生命ホールディングス(以下HD)の下に、事業会社としての第一生命やネオファースト生命などがぶら下がる形を取っている。…
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第一生命ホールディングス(上)“日本初の相互会社”を襲ったコロナ禍と不祥事の3年間
日本の大手生命保険会社の多くは、相互会社という独自の形態を取っている。 その第1号は第一生命で、1902年に日本初の相互会社として設立された。さらに敗戦後の47年、日本生命や明治生命(現・明…
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空港施設(下)国交省OBの人事介入で大騒動に…まさに死屍累々
「国交省元次官、『OBを社長に要求』、空港関連会社の人事に介入か」 この報道を皮切りに、政官財を揺るがす大騒動に発展した。 国土交通省の元事務次官が2022年12月、空港施設の首脳に、…
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空港施設(上)株主総会で大波乱…JALが自社出身の社長を“解任”した裏事情
国土交通省の元事務次官による人事介入が今春発覚した空港施設の株主総会が6月29日にあり、まさかの波乱が起きた。経営側が提案した取締役候補9人のうち、日本航空(JAL)出身の乗田俊明社長(65)の再任…
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クレディセゾン(下)林野宏会長と“積立王子”こと中野晴啓セゾン投信会長が路線対立
クレディセゾンでは、もう一つ向き合わなければならない大きな問題がある。グループの資産運用会社、セゾン投信を立ち上げた中野晴啓会長CEO(59)が6月28日の株主総会で退任した。親会社のクレディセゾン…
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クレディセゾン(上)スルガ銀行との資本提携に株主から批判相次ぐ
スルガ銀行との資本業務提携を5月に発表したクレジットカード大手のクレディセゾンが、6月21日に都内で株主総会を開いた。出席した株主によると、同社の水野克己社長COO(54)はスルガ銀行との提携に関し…
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近鉄GHD(下)21年3月期の赤字から一転、関西の大手鉄道トップへ 国際物流会社を完全子会社化
近鉄グループホールディングス(GHD)は“ドン”と呼ばれる小林哲也会長が、相談役に退くと表明していた人事案を撤回し、続投したことで注目度が上がった。 小林氏は1943年11月、大阪府生まれの…
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近鉄GHD(上)株主総会の直前にトップ人事を撤回 近ツー「コロナ不正」が影響
旅行代理店大手の近畿日本ツーリスト(KNT)を傘下に持つ、近鉄グループホールディングス(GHD)が、株主総会直前に、公表済みのトップ人事を撤回した。 近鉄GHDは3月24日、株主総会後の新体…
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コスモエネルギーHD(下)“出光との統合”でENEOSに対抗できるか
石油元売り業界が再編に動き出したのは、コスモエネルギーホールディングス(HD)の筆頭株主だったアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンド、ムバダラ・インベストメントが、保有株を売却した…
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コスモエネルギーHD(上)「買収防衛策」決議にMOM採用も…旧村上系を含めると賛成は過半数に届かず
今年の株主総会で最も注目を浴びた企業のひとつは、石油元売り大手コスモエネルギーホールディングス(以下コスモ、山田茂社長)である。筆頭株主の旧村上ファンド系のアクティビスト(物言う株主)との対立が激化…
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北越コーポレーション(下)大王製紙との関係をどうするのか 岸本社長“最後の大仕事”
北越コーポレーション社長の岸本晢夫(78)は製紙業界の再編論者である。 東京大学卒業後、1969年三菱商事に入社。製紙原料部長を最後に退職。99年北越製紙(現・北越コーポレーション)の物資本…
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北越コーポレーション(上)岸本社長の再任に“物言う株主”から「反対」の集中砲火
6月に開催された定時株主総会は空前の株主提案ラッシュだった。大和総研の集計によると、6月の株主総会で90社、348件の株主提案があった。昨年6月の総会では76社、285件だったから、社数・件数とも2…
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日野自動車(下)三菱ふそうとの統合で「水素連合」が誕生か
トヨタ自動車は5月27~28日、静岡県小山町の富士スピードウェイで開かれた24時間耐久レース「スーパー耐久(S耐)」に、世界で初めて液体水素を燃料にしたエンジン車を投入した。 27日午後3時…
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日野自動車(上)三菱ふそうと突然の「経営統合」ダイムラーはトヨタに何を求めているのか
突然の商用車再編の発表だった。 5月30日、トヨタ自動車とダイムラートラックが提携し、トラック大手の日野自動車と三菱ふそうトラック・バスが経営統合すると発表した。2024年中に統合の完了を目…
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森ビル(下)六本木ヒルズは開業20年…危機乗り越え売り上げが過去最高を更新
今年は森ビルにとって記念の年だ。 まず4月25日、六本木ヒルズが開業20周年を迎えた。開業当初には回転ドアの事故により6歳児が亡くなる悲劇も起きたが、その後対策を施し、20年たった今でも六本…
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森ビル(上)開業までに34年の歳月…今秋開業する高さ330m「麻布台ヒルズ」は集大成
日本で一番高いビルは大阪市阿倍野区にある「あべのハルカス」で、60階建て地上300メートル。2014年の竣工以来、9年間にわたり日本一に君臨し続けてきた。 しかし、その天下も間もなく終わる。…