永田町の裏を読む
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発足1カ月で早くもさらけ出された菅政権の「3つの弱点」
菅義偉首相が日本学術会議の人事に手を突っ込んだ一件で、早くもこの政権の弱点がさらけ出されることになった。第1に、菅自身の「答弁能力」の限界である。彼が9日の各紙インタビューで、自分が決裁する際に見た…
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人事をいじくり回す権力誇示でアカデミズムを敵に回すのか
安倍晋三前首相と菅義偉首相に共通する趣味――と言って悪ければ「権力の神髄ここにあり」とする信念は、人事のいじくり回しである。 菅は安倍内閣の官房長官として、13年3月の黒田東彦の日本銀行総裁…
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長く垂れ込めた災禍以外の何物でもなかった“安倍政権時代”
本欄の連載も、今回をもって384回に及ぶが、そのうちから4割に当たる約170編を選んで一冊に編んだ単行本「安倍政権時代/空疎な7年8カ月」が10月5日、花伝社より発売となる。 何やら因縁めい…
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河野氏への期待と警戒「マヨネーズ地盤」辺野古問題の行方
河野太郎前防衛相が、新内閣では行革担当相兼沖縄担当相という珍しい兼任の仕方の大臣になったことについて、沖縄の人々は警戒半分、期待半分というところである。 先の4連休中、私はほぼ1年ぶりに沖縄…
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駆け引き、もみ消し、恫喝の裏技でのし上がった卑小な宰相
自民党総裁選の一連の論戦や会見を見ていて感じたのは、菅義偉という人の器の小ささである。12日に日本記者クラブ主催で行われた公開討論会では、外交経験の少なさを指摘されると「安倍晋三首相の日米電話首脳会…
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「安倍なき安倍政権」という首なしお化けのような新政権
せっかく安倍晋三首相が退いたというのに、後を襲うのが菅義偉官房長官というのでは、何の代わり映えもせず、国民の目線からすればむしろ大迷惑である。 だってそうでしょう。第2次安倍政権の7年8カ月…
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安倍“首相”になっても変わらなかった一知半解の政界遊泳
安倍晋三首相が辞意を表明して、軽い虚脱感を覚えている。というのも、この連載は、2012年12月26日に第2次安倍内閣が発足し、年が明けて動き出したばかりの13年1月12日付から開始して、本紙の休刊日…
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河井夫妻の立件の仕方に疑問…検察はヤル気を失っている?
河井克行・案里夫妻を公職選挙法の買収罪に問う裁判が始まった。 多くの解説が、夫妻の派手な現金バラまき行為が厳しく罰せられるのは当然として、その金を受け取った側の地元首長や議員ら100人が、い…
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踏んだり蹴ったりになりそうな「首相最長不倒達成記念日」
周知のように、安倍晋三首相の連続在任日数が来週月曜日(24日)に2799日に達し、大叔父の佐藤栄作を超えて明治以来歴代トップとなる。が、それを祝おうという声は自民党内からも取り巻き、側近たちからも上…
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コソコソ逃げる安倍首相は、なぜそんなに会見が嫌なのか?
8月6日、広島での安倍晋三首相の久々の記者会見に出たベテラン政治記者が言う。 「体調不安説も出ている中、確かに顔を見ても、むくみなのかたるみなのか、肌に張りがなくてあまり元気そうには見えない。…
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民主党政権にも及ばなかった「戦後最長の景気拡大」の嘘
安倍政権が嘘ばかり言って、それがバレそうになると言い訳や言い逃れを並べ立て、それでも済まなくなると国会を閉じて総理の記者会見も開かないというのは、これまでもさんざん繰り返されてきたことなので、いまさ…
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7条解散に異議「解散権」に関しては石破茂氏の正論に期待
安倍内閣がよろず行き詰まりに陥る中で、政権批判のトーンを上げつつある石破茂元幹事長だが、そのテーマのひとつが「解散権」。彼は7月2日の共同通信社での講演で「7条解散は憲法論から『すべきではない』との…
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間抜けの象徴「アベノマスク問題」今なおだらしなく進行中
アベノマスクをいまさら話題にするのもうっとうしいが、依然として進行中のことなので問題点を指摘しておきたい。 第1に、4月1日に安倍晋三首相が誇らしげに宣言して17日に配布が始まり、菅義偉官房…
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「雪駄の雪」は公明党ではなく自民党の方ではないのか?
このところ自民党と公明党の間は隙間風どころではない冷たい風の吹き抜け方で、自民党のベテラン秘書に言わせると「公明党はすでに安倍晋三首相に見切りをつけ、ことあるごとに『安倍と心中するつもりはありません…
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災いを転じて福となすつもりで考え直す「コロナ後の社会」
コロナ禍のさなか、欧州では、単に以前の経済生活を早く取り戻そうというだけでなく、これを機会にむしろこれまでの暮らしぶりを見直して、新しい社会のあり方に向かって踏み出すきっかけにしようという、文明論的…
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回顧録より総括が必要な安倍政権の「ボルトン依存症」
トランプ米大統領のほとんど冗談としか思えないほどの無知・無能ぶりを赤裸々に描いたジョン・ボルトン元安保担当補佐官の回顧録が発刊され、ボルトンがまるで勇気をもって政権の内幕を暴露した内部告発者であるか…
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独自性を打ち出した者ほど「ポスト安倍」に浮上する政局
国会の会期末前後から、「秋に解散・総選挙か」という観測が永田町内で盛んに流れていて、出元を探るとたいていは安倍晋三首相の周辺である。 典型的には、首相の盟友と呼ばれる甘利明=自民党税制調査会…
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都知事選に山本太郎が立候補を表明した理由と野党の困惑
18日告示の東京都知事選の直前になって、れいわ新選組の山本太郎代表が立候補を表明したことについて、野党の有力幹部が苦々しげにこう語る。 「このタイミングで出てくるのは、完全に政治音痴でしょう。…
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思い込みを排し事実に基づいて淡々と検証する事が必要だ
米国や日本の保守系メディアでは、新型コロナウイルスの発生源である中国が対応の初期段階で情報を隠したためにパンデミックが起きたとして、中国を非難する論調があふれている。 典型例を1つ挙げれば、…
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解散・総選挙を打つ力もない安倍総理は早々に見限られる
自民党の下村博文選対委員長が30日の講演で、次期衆院選について「すぐにできる状況ではない。来年10月の衆院議員任期満了に限りなく近い時期になる気がする」と述べた。どういうことなのか、自民党のベテラン…