【武蔵野S】四位クイーンズサターン「東京だとじっくり構えられる」
四位は今年でキャリア28年目の45歳。デビュー当初は目立たなかったが、4年目の94年にゴールデンジャックで桜花賞TRの4歳牝馬特別(現フィリーズR)で重賞初勝利を収めると、メキメキと頭角を現し始めた。96年にはイシノサンデーで皐月賞を勝ってGⅠジョッキーの仲間入り。
その後もアグネスデジタル(01年天皇賞・秋、香港C、02年フェブラリーS、03年安田記念)で芝、ダート両方の“二刀流”でGⅠ制覇したり、07年ダービーをウオッカで64年ぶりに牝馬で奪取。その活躍は枚挙にいとまがない。
それだけに今年の調教師試験を受けたと聞いて、個人的に少なからずショックを受けた。
今週の騎乗馬も含めて、その心中を探るべく、直撃した――。
――調教師試験を受けたと聞いて、「まだ早いのでは……」と感じたんですが。
四位騎手「そう言ってくれる人が多くてうれしいよね。でも、年齢的なことを考えると今年ぐらいからかなと」
――なぜ、その決断を。
「伝えないと、と思ったからだよ。後輩たちにね」
――その伝えなければならないこととは。
「今まで、いろんな方々のバックアップのおかげで名馬の背中を知ることができたでしょ。あの馬たちの鐙(あぶみ)から伝わる感触はオレしか知らない。財産だよね。それを独り占めしてはいけないと思ったんだよね。そんな“使命感”もあってさ。ジョッキーも育ててみたいし」
――そうですか。よく分かりました。残り少ないかもしれないその騎乗ぶりを目に焼き付けておきます。武蔵野Sのクインズサターンは春に2回乗っています。アンタレスS、平安Sともに③着でした。
「どちらもしっかり脚を使ってくれてるんだけどね。どうしても脚質的に展開に左右されるのは仕方ないかな」
――2週続けてケイコをつけています。感触は。
「先週は“やっておいて”とのオーダーだったので、コースで長めからしっかりと負荷をかけた。今週は坂路で馬なりで。いい動きだったよ」
――府中は得意のコース。期待できますね。
「東京だとじっくり構えられるからね。直線に向くまでいかにパワーをためられるか。そこを考えて乗りたい。今の賞金だと今後、重賞にすんなり出られるか微妙なところだからさ。何とか加算(②着以内)したいね」