適菜収
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適菜収作家

1975年生まれ。早大で西洋文学を学び、ニーチェを専攻。ニーチェの「アンチクリスト」を現代語訳した「キリスト教は邪教です!」、「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体」など著書多数。近著に「もう、きみには頼まない 安倍晋三への退場勧告」。

アンチではなく「知」が追い込んだ安倍寄り作家の新著騒動

公開日:

 年末の安倍晋三のツイートを見て飲みかけのみそ汁を噴き出した。巷で話題のトンデモ本、百田尚樹の「日本国紀」を紹介していたからだ。初版25万部の事故本を売りさばく作戦か?

 昨年11月の刊行なのに、帯に「平成最後の年に送り出す」とあるのは愛嬌だが、「私たちは何者なのか――。」というあおり文句には「バカなんじゃないですか」としか言いようがない。

 発売日前から百田の鼻息は荒かった。
《「日本国紀」が発売されたら、歴史学者から批判が殺到するはず、と期待するアンチが多いが、彼らの期待は裏切られる。なぜなら「日本国紀」に書かれていることはすべて事実だからだ》

 百田の予想通り、発売後、歴史学者から批判が殺到することはなかった。事実誤認だらけで、歴史学者が相手にするようなものではなかったからだ。皇室の「男系」の説明もデタラメだし、内容も支離滅裂。織田信長は「一向一揆鎮圧の際も女性や子供を含む2万人を皆殺しにしている。これは日本の歴史上かつてない大虐殺である」と述べる一方で、「日本の歴史には、大虐殺もなければ宗教による悲惨な争いもない」。矛盾をツイッターで指摘されると、百田は「そういう文学的修辞が読み取れないバカがいるとは思わなかった」と返答。フランシスコ・ザビエルとルイス・フロイスを間違えていた件に関しては「どっちにしても外人や」。本を購入し、具体的に間違いを指摘してくれた人たちを罵倒するのは人間としてどうなのか。

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