上阪徹さん<3>広告制作会社に転職…手取りは7掛けにダウン

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 田舎に帰るタイムリミットは迫っていた。カラータイマーは点滅している。それなのに「東京でやりきった!」と胸を張れる状況には程遠かった。このままいても何も見いだせない――気持ちばかりが焦っていた。

 ある日、朝日新聞の求人広告に目が留まる。リクルートが初めて立ち上げる広告制作会社の社員募集だった。

「リクルートといえば営業のイメージですが、そこは制作が専門の会社でコピーライターの募集でした。それで応募したら、するすると受かっちゃって。まずは一番可愛がってくれていた7つ上の先輩に報告しました。先輩は、新入社員の僕が入ったことで、念願のデザイナー系ブランドに異動することが決まっていた。僕が抜けると異動も白紙になります。それでも『行きたいと思うなら行くべきだ』と背中を押してくれて……。感謝しています」

 上阪さんは入社式で新入社員を代表して挨拶をしている。期待の新人だった。それが2年目の夏に転職するというのだから、すんなりと了承されない。会社は大騒ぎになった。

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