永井紗耶子さん<4>老舗企業の取材が小説のきっかけに

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「その後も時折、日本橋の老舗を取材させていただいています。老舗の哲学は、欧米的な経営学とは違うけど、時代を超える力を感じる。また、チャレンジ精神はベンチャーとも似ている。対比は面白いですね」

 永井さんはフリーライターとしていろんな経験を積むことで、小説家への道が開けたと振り返る。

「氷河期時代に就職活動をしていたときは綱渡りをしている感覚で、落ちたら人生が終わるという切迫感がありました。でも実際に辞めてみると、『あれ? 奈落の底じゃない。足届いた。地上は草原だったわ』って。企業に就職という形を取らなくても仕事はあるし、できることとニーズが合うという瞬間はあるんだなと気づきました。大学時代の友人も、就活で苦戦して小さな旅行会社に入りました。休みもない生活を送っていたのですが、私が辞めたと聞いて『辞表の書き方を教えて』と訪ねてきて、サクッと辞職。フランス文学を専攻し語学が堪能だったこともあり、日韓ワールドカップのカメルーン代表で、当時、『東京ヴェルディ』にいたパトリック・エムボマ選手の通訳をしたり、フランス映画の字幕を作ったりしていました。2人で『就職できなかったらおしまいだと思っていたけど、そんなことなかったね』って。チャンスはどんなタイミングであるか分からない。だから辞めていいとはいわないけれど、辞めたら一巻の終わりではありません」

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