「本と暮らせば」出久根達郎著

公開日: 更新日:

 半世紀以上にわたって古書店を営んできた直木賞作家の著者がつづるエッセー集。

 新規の本に目を通すのがおっくうに感じるとき、著者は「勝手知ったる」本を手に取り拾い読みをするうちにエンジンが温まり、はずみがついたところで読みたいと思っていた新しい本に乗り換えるという。そんな勝手知ったる本の一冊、沢村貞子著「私の浅草」は、さながら上質の人情世話物語であると、心に響いたエピソードを紹介する。

 また「駅前の宿」と題した一文では、北海道から上京した折に途中下車した町で読書家の旅館の女主人との出会いを描いた中谷宇吉郎の戦前のエッセー「I駅の一夜」を取り上げるなど、本と作家にまつわる珠玉のエッセーが未知なる本への読書欲を刺激する。

(草思社 820円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    GACKT告白 浜田だけじゃない芸能界パワハラ&セクハラの闇

  2. 2

    自民・田畑毅氏離党か…永田町で飛び交う“女性醜聞”の中身

  3. 3

    また怪統計か 2018年「貯蓄ゼロ世帯」大幅改善のカラクリ

  4. 4

    トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”<上>

  5. 5

    ローン嫌いは意外に多い 現金主義のメリットと得するコツ

  6. 6

    銀行口座は3つを使い分け 7年で1000万円貯めた主婦の凄腕

  7. 7

    3月の侍J入りも辞退 巨人に“丸効果”ジワリで指揮官も賛辞

  8. 8

    常盤貴子「グッドワイフ」も評判 “ネオ美熟女”はなぜ人気

  9. 9

    日産の“暴君”と対決した元広報マンはゴーン事件をどう見る

  10. 10

    菅田将暉「3年A組」好調の深い意味…日テレの新看板枠に

もっと見る