「EPITAPH東京」恩田陸著

公開日:  更新日:

 筆者Kは、東京をテーマにした長編戯曲に取り組んでいるが、なかなか進まない。「エピタフ東京」というタイトルだけは数年前から頭に浮かんでいた。

 行きつけの飲み屋で知り合った自称・吸血鬼の吉屋は、「この街は、無数の死者の記憶でできている」という。東京にふさわしいエピタフ=墓碑銘を考えるKには、「死者がポイント」という吉屋の言葉が啓示のように感じられる。

 将門の首塚や友人の父親の納骨で出かけた霊園、昭和天皇陵などを訪ね歩き、執筆のアイデアを練り上げていくKは、ある日、神田の古書街で吉屋を見かけ、思わず尾行する。

 Kの日常と作中作「エピタフ東京」、そして吉屋の視点が交錯しながら進行する不思議な読書体験。 (朝日新聞出版 640円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悪いのは告発女性? バナナ日村「淫行」同情論への違和感

  2. 2

    突然の引退劇…貴乃花親方“お涙頂戴会見”のウソ八百<上>

  3. 3

    台湾4割スラッガー王柏融めぐり 巨人vs阪神で争奪戦勃発

  4. 4

    安倍首相が怯える 近畿財務局“森友キーマン”証人尋問Xデー

  5. 5

    ファン心配…築地「吉野家1号店」営業終了で店長はどこへ

  6. 6

    突然の引退劇…貴乃花親方“お涙頂戴会見”のウソ八百<下>

  7. 7

    ラグビーW杯決勝が22万円に! 横行するネットダフ屋の実態

  8. 8

    狙われる関ジャニ∞…錦戸&大倉“ベッド写真”流出の裏事情

  9. 9

    高校68本塁打 早実野村プロ入り決意の裏にソフトB王会長

  10. 10

    大坂なおみが目指すWTAファイナル “超VIP待遇”の仰天全貌

もっと見る